チョコレートエスプレッソとはいっても、それはほとんどココアのような味わいだった。だけど文句は云えない。なにせ、80円ぽっきり。低コストの(ドリンクメーカー)エスプレッソなのだから。量の少なさもこの日の空きっ腹には丁度良いと思うことにしよう。苦味はまったく無いに等しいけれど、このチョコレートが腹の虫を寝かしつけてくれるっていうわけだ!
穏やかな午後の陽射しのなかで、ドリンクメーカーはどことなくむっすりとしているようにも見える。ホットドリンクを買い求める客は、そうしょっちゅう現われるわけではないのだ。商店街の暇な店の中に漂っている空気と近い、ここにあるのは、そんな忘れ去られた空気だ。どんよりとはしていない。寧ろからっぽ(空洞)なのだろうけど、個人的にはそんなところがすがすがしいとさえ思う。機械のまわりでは、子どもたちが数人しゃがみ込んでいる。
みんな低学年の小学生たちで、この少年探偵団たちめ、地図を広げて秘密の計画ってやつを練ってやがるぞ。しかも、なんて正義感の塊なんだ! 資産家放火事件の手がかりを突き止めてやろうって、鼻息を荒くしている。市民の美徳をここに見つけたぜ。オーケー、自分も今日から注意深く生きよう。君らを見習って。